幸運にも音楽ライターの山野浅里さんがayaradio727の音楽を取り上げてくださることになりました。
§ayaradio727-NTL
Y.ASARI
オリジナル第1作、Not Too Lateは彼女自身の宣言でもあり、その後の創作の根底にある美学そのものであると受け止めている。本作は、Not Too LateからはじめたYouTubeチャンネルについて登録者数の一定目標を超えた事への記念ソングとしてノベルティ的に発表されたものである。ウェストサイドのメロウソウル的なコード進行に乗せたヒップホップアプローチは直前までの数曲からのつながりもあり、またリリックには彼女のこれまでの作品のタイトル名を織り込んだ内容になっている。
1年で10作品作るという目標を掲げて実際にそれを達成したSomething strangeは内省を伴って決意を掲げた曲だった。今作は外に開かれた目標に辿り着いた事へのノベルティソングであり、その点はSomething strangeとは対照的な側面を持つ。しかしどちらも彼女自身の前進を示す象徴的なポジションにある曲だ。その観点から、象徴となる曲がリラックスしつつ内にも外にも開かれた作風に仕上がっている事は非常に興味深い。
これまでの作品のタイトル名を織り込んだリリックに通奏するのはやはりNot Too Late (NTL)だ。「新たな希望サヨナラ昨日」は、それが必ずしも言葉通りではないことは彼女のこれまでの作風からみても感じ取れる。しかしそれであってもNot Too Lateであろうという力強さがノベルティの中に散りばめられているのは軸がぶれない彼女のある種の強さなのだろう。
これまで1曲づつ発表し続けてきた彼女だか、それらを総括することで区切りがついた部分もあるのかもしれない。この後、彼女はEPの制作に入る事になる。その節目に位置する楽曲がノベルティである事に彼女の面白みと表現の奥行きを感じざるを得ない。
この曲のMVはこちらです↓

これまでの曲のタイトルを全てリリックに入れてみる、という試みは想定していたよりも楽しく完成した曲も我ながら面白い1曲が出来たと満足している。「Not Too Late」と
「やっとうでい」(関西弁)で韻を踏んでみたり、リラックスしながらも自分のやりたいことをやるスタンスは私に合っているなぁとの発見があった。ノベルティソングまでもレビューの対象に入れて下さったASARIさんの誠実さに感謝しつつ、次のレビューを楽しみに待ってしまう自分がいる。
山野浅里さんのNoteはこちらです↓
