山野浅里レビュー【No.21】ayaradio727「His Eye Is On The Sparrow」(ゴスペル)

REVIEW

幸運にも音楽ライターの山野浅里さんがayaradio727の音楽を取り上げてくださることになりました。

§His Eye Is On The Sparrow(ゴスペル)

Not Too Lateからはじまったayaradio727としての活動が3年を迎えるタイミングで発表されたのが本作だ。2023年7月に公開されたが、本作はゴスペルソングである。本人解説によれば「ずっと歌いたかった」との事で、ayaradio727としてオリジナルを歌い続けてきた彼女の表現の原点を構成する楽曲なのかもしれないという思いで本作を聞いた。


この曲は有名な映画でも効果的に使われており、ゴスペルに馴染みがなくてもどこかで耳にする機会はあるかもしれない。彼女は「この曲を歌うとき私の心は、こうしていま自由に歌えている喜びにあふれ」ているという。ゴスペルというと歌い上げるイメージがあるが、ここでは必ずしもそういったアプローチは取らず、自身の表現に沿った歌い方でこの歌を自分のものにしている。それは自身の表現を持ち得ていないと出来ないことであり、まさに自由に歌えているというのはこういった表現の端々にもあらわれているように思う。


幸せだから自由だから歌うというこの曲の歌詞はまさにそういった彼女の気持ちそのものではないかと感じる。あらためて、ayaradio727としての最初の作品「Not Too Late」に込めた思いとそこにつながる彼女の表現に向き合う姿勢に敬意を表したい。


MVはダンスとボディーランゲージを組み合わせた身体表現がとても印象的な仕上がりになっている。中盤以降のクラシカルで静かな盛り上がりは見事に喜びを全身で表現しており素晴らしい。

Y.ASARI

この曲のMVはこちらです↓

ayaradio727
ayaradio727

この曲が大好きで歌いたい!と前からずっと思っていたことは他の場所でも書いたけれどゴスペルといえば「力強く歌い上げるもの」というイメージをわたし自身が持っていたのも本当で、なかなかアレサ・フランクリンのような歌声で歌うことはわたしには到底叶わないから無理なのかなぁと残念に思っていたところ、Like This Paradeさんとのコラボレーションにおいてayaradio727に出来る表現の形で無理なく歌うスタイルを提案してくださり、今回のカバーが実現したのです。この曲を最初から難なく歌えるような声質や歌唱力や自信がわたしにもともと備わっていたのなら、今の形の「His Eye Is On The Sparrow」は生まれていなかったでしょう。この曲はゴスペルだからスピリチュアルに信じていることをそのままここで打ち明けますと、「神様が佳きタイミングでこのように備えてくださったのだ」と受け取るほかありません。

ASARIさんMVの身体表現にも注目してくださってありがとうございます!おっしゃる通り喜びを全身で表したつもりなのでとても嬉しいです!

山野浅里さんのNoteはこちらです↓

ASARI|note
音楽について書きます。 (15min recordsお手伝い係:X Twitter @15minrecords)
タイトルとURLをコピーしました