山野浅里レビュー【No.22】ayaradio727空港でのピアノ演奏Morricone – Nuovo Cinema Paradiso

REVIEW

幸運にも音楽ライターの山野浅里さんがayaradio727の音楽を取り上げてくださることになりました。

§Morricone – Nuovo Cinema Paradiso

モリコーネによる映画音楽作品「ニューシネマパラダイス」のピアノ独奏をいわゆるストリートピアノの空港版というのか動画を見る限り空港に設置されたピアノで演奏していることが分かる。動画にはおそらくこの演奏を実際に収録した日であろう、2023年4月の日付が示されている。口を覆うマスクと日付でその頃はまだコロナ禍にあったということを思い出す。

ニューシネマパラダイスは、老人と子供の映画愛を通じた交流からはじまり成長や別れ等、映画のあらゆる要素がメタ的に織り込まれている。その上で「実際の人生は君が観た映画とは違ってもっと困難なものなのだ」というセリフ。詳細は割愛するが、そんな映画を支えるのがモリコーネの音楽だった。

この動画は彼女の一連のオリジナル作とは異なる位置付けで製作されたと見ていいだろう。純然たるカバー且つシンプルなピアノ演奏の記録であり、さらにそれはリスニングを想定した演奏というより本当にストリートピアノが偶然そこにあり、思い立って弾いてみたとでもいうような内容だ。したがって本来レビューの対象ではないのかもしれない。

それでも今、いわゆるコロナ禍といわれた状況からポストコロナといわれる状況に移行してからこの動画を見ている訳だが、こうした記録や記憶の重要性について感じざるを得ない。空港での演奏ということはこれから出かける若しくは帰ってきたところなのかもしれない。何かの目的がありそれを果たした、あるいは果たすための道の途中なのだ。あらためて映画のセリフを思い出す。確かに映画とは異なる困難もあろう。一方で奇跡もある。もちろん上手いことばかりではないだろう、それでも上手いこと、美しいこともそこにはある。そうした視聴者のあらゆる感情が湧き上がる、そんな記録に仕上がっていると思う。

Y.ASARI

このレビューの元となった動画はこちらです↓

ayaradio727
ayaradio727

空港ピアノの記録をASARIさんがレビューしてくださりこの頃のことを懐かしく思い出しました。と言ってもそんなにはるか昔のことでもないのだけれど、大好きなモリコーネの映画音楽とピアノと飛行機と空港と旅・・・それらの呼吸が気配が、この短い動画の時間の中にぎゅっと詰まっているのですね。あらためて気付かされました。それはもう二度とない、その時にしかない「奇跡」の瞬間の連続を私たちは生きているんだ、ということを映画『ニューシネマパラダイス』にも重ね合わせて感慨深く想います。ASARIさん今回もありがとうございます。

山野浅里さんのNoteはこちらです↓

ASARI|note
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